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女性ホームレスとして生きるー貧困と排除の社会学〔増補新装版〕

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著 丸山里美
発売:2021年9月1日
出版:世界思想社

(世界思想社ホームページより抜粋)
路上にとどまる女性たちの「意志」とは何か?

女性ホームレスの生活史から、女性が貧困に陥る過程を浮き彫りにし、福祉制度や研究が前提にしてきた人間像を問い直す。
2013年刊行の第33回山川菊栄賞受賞作に、著者による付録「貧困女性はどこにいるのか」と岸政彦氏による解説「出会わされてしまう、ということ」を収録した増補新装版。



……………

たくましいでもかわいそうでもなくただ、人びとの行為には、生活には、そして人生には
「理由がある」のだ。
いま現在人びとがおこなっていることの理由を、人びと自身の言葉を通じて描く。
丸山里美が目指して、そして見事に成功した本が、本書である。
この本を読むと、ただもう、人びとはそこで生きているのだな、という深い感動をおぼえ
る。
丸山の著作に登場する人びとには「顔」がある。
私はこの本を何度も何度も読んだが、エイコさんやタマコさんと、まるで知り合いのよう
な気がしている。
(中略)丸山里美の本によって、私たちは、エイコさんやタマコさんと「出会わされてし
まう」。
丸山のエスノグラフィには、そのような力がある。
――岸 政彦「解説 出会わされてしまう、ということ」より

目次
はじめに

第1章 女性ホームレスのエスノグラフィに向けて
1 ホームレス論の現在/2 ホームレス論における女性の存在/3 抵抗の主体と女性の排除/4 フェミニズム研究における女性ホームレスの位置/5 ポスト構造主義のジェンダーと主体/6 調査の方法/7 本書の構成

第2章 女性ホームレスとは
1 隠れた女性のホームレス/2 なぜ女性の野宿者は少ないのか/3 貧困女性の生活実態/4 ホームレスへといたる排除の過程/5 女性ホームレスという問題

第3章 女性ホームレスを対象とした福祉体制の成立
1 ホームレス型貧困政策と女性/2 戦前の政策/3 戦後の政策/4 貧困政策における二つの女性像

第4章 福祉施設の利用とジェンダー規範
1 福祉制度の内包する女性観/2 女性ホームレスへの福祉的対応/3 A宿泊所の概要/4 利用者の生活史と入所の経緯/5 処遇の方針と支援の方向性/6 ひとつの社会的期待としてのジェンダー

第5章 女性野宿者たちの生活世界
1 女性野宿者の生活史/2 野宿生活の困難/3 女性野宿者たちの生活戦術

第6章 野宿をすることと野宿を脱すること
1 野宿者の抵抗と主体性/2 野宿生活の意味/3 創発する共同性/4 彼女たちの「選択」/5 断片的であること

第7章 変化のプロセス
1 支援の働きかけと時間の流れ/2「女のおしゃべり会」/3 女性野宿者の生活史と野宿生活の状況/4 居宅生活へ/
5「意志」なるもののありか/6 主体となるプロセス

第8章 主体化の魔力に抗して
1 主体への着目と女性の排除/2 主体化の問題/3 ケアの倫理/4 自立と依存/5 自立能力の涵養/6 未来を構想すること

おわりに

付録 貧困女性はどこにいるのか
1 二〇一三年以降の変化/2 女性の貧困/3 ホームレスの主体性/4 「女」の位置

解説 出会わされてしまう、ということ(岸 政彦)

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