当事者対決! 心と体でケンカする
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著:頭木弘樹 横道誠
出版社:世界思想社
発売:2023年月
判型:四六判・176頁
生きづらさの往復インタビュー
自閉スペクトラム症とADHDの当事者と、潰瘍性大腸炎の当事者が、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界
【本文より――はじめに(頭木)】
横道さんは発達障害の当事者で、私は潰瘍性大腸炎という難病の当事者です。
つまり、心で困っている人と、体で困っている人です。
当事者研究の本を、横道さんも私もそれぞれに出していますが、ふたりで一緒に作ることには、また新しい意義があるのではないか(…)それぞれ心と体の仮の代表として、議論をたたかわせ、ケンカしてみるのも、おもしろいのではないかと思いました。
<目次>
はじめに このふたりの本を読むことにどんな意味があるのか? 頭木弘樹
なぜ往復インタビューなのか?/心と体でひとつの本を作る/なぜ心と体でケンカするのか?/ひとりの人間のなかでも心と体はケンカする/個人的な体験を読むことに意味はあるのか?/個人的な話が、なぜか普遍的な話に/この本の作り方について
●ラウンド1 どういう症状か?
1 発達障害とは 頭木→横道
発達障害とはなにか/病気なのか障害なのか/先天的か後天的か/グレーゾーン/脳の多様性/じぶんたちの文化を生きている/「バリ層」「ギリ層」「ムリ層」/健常者からの反発/能力社会と環境
2 難病とは 横道→頭木
潰瘍性大腸炎のダイバーシティ/「難病」というあつかい/「同病相憐れ」めない/病気の始まり/病院へ行っても後悔続き/身体イメージの変化/骨を嚙んでる犬がうらやましい/豆腐は神だった
インターバル1 壊れた体、世界一の体
●ラウンド2 どんな人生か?
3 発達障害と生いたち 頭木→横道
まわりは異星人ばかり/マンガのなかにいる「仲間」/大衆文学は難しい/発達障害の診断を受ける/診断名が増えて感動!
4 難病と生いたち 横道→頭木
おとながわからない/止まった年齢/カフカとの邂逅、そして再会/カフカにすがりつく闘病生活/ベッドの上で働く/初の著作は幻の本に/12年越しの電話/死にたくなるような美しい曲/絶望はしないほうがいい
インターバル2 定型発達者ぶりっこ
●ラウンド3 どうしてつらいのか?
5 発達性トラウマ障害 頭木→横道
家族の人生/母親の入信/発達障害と宗教2世の関係/転機としての脱会/実家を出る決意/人間嫌いの人間好き
6 難病のメンタリティ 横道→頭木
踏み台昇降をやってる男/同情がないと生きていけない/「ふつう」がじぶん側に近寄ってくる/社会モデルと病気/漏らし文化圏/役に立たないものが好き/勇気のもらい方
インターバル3 SNS文学
●ラウンド4 だれと生きるのか?
7 発達障害とセクシャリティ 頭木→横道
性の揺らぎ/初恋の思い出/好きになった人への告白/カサンドラ症候群/理解されることに飢えている
8 難病と家族 横道→頭木
落語と語りの文体/昔話に魅せられて/宮古島への移住/7回の転校生活/語ってこなかった結婚の話/紅茶を頼む勇気/社会に広めたいルール
インターバル4 オマケの人生
試合結果 心と体はどっちがつらい?
心と体はケンカする?/心と心がケンカする/心身1.5元論/見晴らしのいい場所
おわりに 頭木弘樹のことと私の漏らし体験 横道誠
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